◆源氏物語絵詞・第二図◆
鎌倉時代、十三世紀後半(徳川美術館蔵)
背景画は、邸内に忍び入った匂宮が縫物をする女房たちのなかに、浮舟を確認する場面である。
図は「源氏物語」浮舟の前半と蜻蛉の一部を合装しており、全三十四紙分(うち白描の挿絵三図)が現存している。
柔軟性をもった格調高い細線を主に、人物の形態を的確に描き出し、頭髪や冠などを濃墨で塗りつめた「白描絵」の中でも最も古風な画風を示している。
本来は冊子本の形態をとっていたが、江戸時代には屏風に貼込まれ伝来し、近年になって順序を正し巻子装に改められた。絵巻ではないが、物語絵の古例として貴重である。 |
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